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オンラインゲームでのチート行為は犯罪? 罪名・罰則・逮捕事例など

2021年03月08日
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オンラインゲームでのチート行為は犯罪? 罪名・罰則・逮捕事例など

令和元年の4月、広島県で開催された都市型スポーツの大会「FISE HIROSHIMA 2019」のエキシビションとして、eスポーツの大会が二日間にわたって開催されました。
同大会は令和2年にも開催される予定であり、eスポーツの大会も行われる予定でしたが、コロナウイルスの流行により延期となりました。

eスポーツが市民権を得るにつれて、オンラインゲーム(ネットゲーム、PCゲーム、コンピューターゲーム)の普及率も上がっています。
しかし、プレイヤーの中にはチート行為をはたらいて、ゲーム内で不正な利益を得ている者も存在するのです。

オンラインゲーム上のチート行為は、さまざまな犯罪に該当する可能性があります。
本コラムでは、オンラインゲームにおけるチート行為について成立する可能性のある犯罪について、ベリーベスト法律事務所 広島オフィスの弁護士が解説いたします。

1、オンラインゲームにおけるチート行為とは?

まず、一般に「チート行為」と呼ばれる行為の概要について、解説いたします。

  1. (1)不正な入力によりシステム上想定されない動作をさせる行為

    「チート行為」について簡潔に定義すると、「オンラインゲームのシステム上で不正な入力を行うことにより、本来想定されない出力結果を得る行為」となります

    多くのオンラインゲームでは、一定のルールに従ってプレイヤー同士がパラメータを高め合って、順位を競ったり、コレクションを集めたりする仕組みが設けられています。
    しかし、チート行為はルールを破ってゲーム性やゲームバランスを破壊する不正行為とみなされて、運営側・プレイヤー側の双方から問題視されているのです。

  2. (2)チート行為の具体例

    オンラインゲーム上のチート行為は、ゲームのジャンルや特徴などに対応しながら、さまざまなかたちで行われます。
    具体例としては、以下のような行為があります。

    • 有料アイテムを不正に増殖させる行為
    • キャラクターのパラメータを不正に操作する行為
    • 不正ツールを用いて自動プレイをする行為
    • ゲームの勝敗結果を不正に操作する行為
    • キャラクターの図柄を不正に変更する行為 など

2、チート行為に関する犯罪|著作権法違反

チート行為は、さまざまな法律によって禁止される犯罪行為に該当する可能性があります。
そのうちの一つが、著作権法違反です

  1. (1)同一性保持権の侵害にあたり得る

    チート行為によりゲーム上のパラメータを書き換えたり、キャラクターの図柄を不正に変更したりする行為は、著作者人格権の一つである「同一性保持権」の侵害にあたる可能性があります(著作権法第20条)。

  2. (2)チート行為が同一性保持権侵害と判断された事例

    チート行為による同一性保持権侵害が問題となった事例の代表例が、いわゆる「ときめきメモリアル事件」(最高裁平成13年2月13日判決)です。

    同事件では、家庭用ゲームソフトにおける主人公に設定されたパラメータを不正に操作することにより、通常のプレイでは想定されないシナリオ展開を実現させたことが、ストーリーの不正な改変として同一性保持権侵害にあたると判断されました。

  3. (3)同一性保持権侵害の刑事罰・損害賠償

    著作者人格権である同一性保持権の侵害については、「5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金」が科されるか、またはこれらが併科されることになります(著作権法第119条第2項第1号)。

    さらに、著作者が被った精神的損害や名誉権の侵害、さらに侵害行為に対応するために費やした費用などが、不法行為に基づく損害賠償の対象となるのです(民法第709条)

3、チート行為に関する犯罪|電子計算機損壊等業務妨害罪

刑法第234条の2第1項に規定される電子計算機損壊等業務妨害罪も、オンラインゲーム上のチート行為について問題となり得る犯罪の一つです。

  1. (1)運営側の業務を妨害した場合に成立し得る

    電子計算機損壊等業務妨害罪が成立するためには、チート行為によって他人の業務を妨害したことが要件となります

    たとえば、チート行為を排除するためにオンラインゲームの運営側が対応を強いられた場合には、電子計算機損壊等業務妨害罪が成立する可能性があるのです。

  2. (2)チート行為者が電子計算機損壊等業務妨害で書類送検された事例

    2014年には、あるオンラインゲーム上でチートツールを使用した少年3名が、運営側の意図しないシステムの動作を発生させてこれを提供するなどにより運営側の業務を妨害したとして、神奈川県警に書類送検されています。

  3. (3)電子計算機損壊等業務妨害罪の刑事罰・損害賠償

    電子計算機損壊等業務妨害罪の法定刑は、「5年以下の懲役または100万円以下の罰金」です(刑法第234条の2第1項)。

    また、チート行為によって運営側の業務を妨害した場合には、対策・対応に要した人件費相当額や、チート行為で獲得した有料アイテムなどの価値に相当する金額などを損害として、不法行為に基づく損害賠償請求を受ける可能性があります(民法第709条)

4、チート行為に関する犯罪|私電磁的記録不正作出罪・同供用罪

刑法第161条の2第1項に規定される私電磁的記録不正作出罪・同供用罪は、チート行為に対して幅広く適用される可能性がある犯罪です。

  1. (1)不正入力全般に成立し得る

    私電磁的記録不正作出罪・同供用罪は、「人の事務処理を誤らせる目的で、その事務処理の用に供する権利、義務または事実証明に関する電磁的記録を不正に作る行為」について成立します。

    オンラインゲーム上で行われるチート行為は、そのほとんどが上記の要件に該当します。そのため、軽微に思われるチート行為であっても、私電磁的記録不正作出罪・同供用罪に問われる可能性は常に存在すると考えた方がよいでしょう

  2. (2)チート行為者が私電磁的記録不正作出罪・同供用罪で有罪判決を受けた事例

    奈良地裁2017年1月17日判決では、オンラインゲームプログラムを改変し、保有アイテムを増加させるチート行為を代行した通信制の大学生が、懲役1年・執行猶予3年の有罪判決を受けました。

  3. (3)私電磁的記録不正作出罪・同供用罪の刑事罰・損害賠償

    私電磁的記録不正作出罪・同供用罪の法定刑は、「5年以下の懲役または50万円以下の罰金」です(刑法第161条の2第1項)。

    さらに、著作権法違反や電子計算機損壊等業務妨害罪のケースとも共通しますが、チート行為への対応に運営側が支出した人件費などの費用などについて、民事上の損害賠償義務を負うことになるのです(民法第709条)

5、オンラインゲーム上でチート行為をしてしまったら弁護士に相談を

オンラインゲーム上のチート行為は、軽い気持ちで行ったものであったとしても、捜査機関に発覚してしまえば、重い処分を受けてしまうおそれがあります。

もしチート行為に心当たりがある場合には、できるだけ早く弁護士に相談しましょう。

  1. (1)チート行為は逮捕もあり得る

    これまで解説したように、チート行為にはさまざまな犯罪が成立する可能性があります。
    それぞれの罪の法定刑は決して軽いものではなく、捜査機関にチート行為が発覚すれば、行為者が逮捕されてしまう可能性も十分に存在するのです。

    実際に捜査機関に逮捕されてしまっては、外部とコミュニケーションを取ることすら難しくなってしまいます。
    そのため、事前に弁護士に相談して、逮捕されそうになった場合の対処方法についてアドバイスを受けておきましょう

  2. (2)寛大な処分を得るための弁護活動を依頼しましょう

    捜査の結果、チート行為について逮捕または書類送検がされてしまった場合、罪状によっては起訴されて刑事罰が科される可能性があります。

    寛大な処分を得るためには、起訴前や起訴後の弁護活動が重要となります。

    重い処分を回避するための弁護活動の具体例としては、以下のようなものがあります。

    • 被害者であるオンラインゲームの運営側と示談を試みる
    • 謝罪文を作成して反省の態度を見せる
    • 家族などに有利な情状について証言してもらう


    弁護士に相談をすれば、犯罪事実や情状などを総合的に考慮して、行為者が重い罪に問われないための最善の策を検討させることができます。

    もしチート行為に手を染めてしまったら、ベリーベスト法律事務所の弁護士にまで、速やかにご相談ください

6、まとめ

オンラインゲーム上のチート行為は、著作権法違反、電子計算機損壊等業務妨害罪、私電磁的記録不正作出・供用罪など、多岐にわたる犯罪に該当する可能性があります。

チート行為者が逮捕・書類送検された事例も、多々存在します。軽い気持ちで手を付けた行為であっても、重い刑事処分を受けてしまう可能性は否定できないのです

もしチート行為をしてしまった場合には、重い刑事処分を免れるためにも、お早めにベリーベスト法律事務所 広島オフィスにまでご相談ください。
ベリーベスト法律事務所には刑事事件の経験豊富な弁護士が多数在籍しております。罪状に合わせた適切な弁護活動を展開して、依頼者にとってできる限り寛大な処分が得られるように尽力いたします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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