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休日労働、時間外労働しているのに1円も出ない! 我慢するしかないの?

2020年04月24日
  • 残業代請求
  • 休日労働
  • 時間外労働
  • 広島
休日労働、時間外労働しているのに1円も出ない! 我慢するしかないの?

新型コロナウイルスの影響で、広島でも「2020ひろしまフラワーフェスティバル」が中止になりました。
新型コロナウイルスの影響で、急に需要が増えた商品もあるようです。
急に需要が増えた場合、「特需が見込める」ということで、勤務先工場が24時間フル稼働を始めたりして、労働者も休みなく連続勤務を強いられることがあります。
すでに30日間も休みがなく働いているが、会社側からは残業代の支給や代休の打診もない……。こんな場合、会社に対してどのような対応を求めることができるのでしょうか。また、休日労働、時間外労働は法的にどう定められているのでしょうか?
ベリーベスト法律事務所 広島オフィスの弁護士が解説します。

1、法律で休日労働はどのように定められている?

  1. (1)基本は週1回以上の休日が必要

    法律上、労働者には、基本的に、毎週少なくとも1回の休日を与えなければならないとされています(労基法35条1項)。
    これに違反した使用者には、6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金が定められています(労基法119条1号)。

  2. (2)36協定があれば休日労働も適法になる

    もっとも、36協定(さぶろくきょうてい)と呼ばれるものがあり、その協定を所管労基署長に届け出すれば、休日労働をさせることができます(36条1項)。36協定とは、労働者の過半数で組織する労働組合又は労働者の過半数代表者と使用者が、所定の事項を定めた書面での協定をいいます。

  3. (3)上限規制がある

    とはいえ、無制限に休日労働をさせることができるわけではなく、時間外労働には上限規制が設けられました。上限規制については、次の章で説明します。

2、法律で時間外労働はどのように定められている?

  1. (1)1日8時間、1週間40時間しか働かせてはいけないのが基本

    法律では、1日8時間、1週間で40時間しか働かせてはならないとされています(労基法32条1項、2項)。
    これに違反した企業等の使用者には、6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金が定められています(労基法119条1号)。

  2. (2)36協定があれば時間外労働も適法になる

    もっとも、36協定(さぶろくきょうてい)と呼ばれるものがあり、その協定を所管労基署長に届け出すれば、労働時間を延長して、働かせることができます(労基法36条1項)。

  3. (3)上限規制がある

    ですが、36協定で決めればいくらでも働かせることができる、というわけではありません。
    36協定で、労働時間を延長して働かせる場合であっても、「限度時間」という上限時間を守らなければなりません(労基法36条3項)。
    この上限規制については法改正があり、厳しくなりました。

    ●限度時間
    この「限度時間」は、1か月45時間、年360時間です(労基法36条4項)。労働時間の延長となる期間を、36協定で3か月以上の期間とした場合、1か月42時間、年320時間になります(労基法36条4項)。

    ●臨時的な特別の事情がある場合
    しかし、納期のひっ迫など、どうしても限度時間以上働く必要がある場合があります。
    そのような場合に備え、労基法では、36協定で、通常予見することのできない業務量の大幅な増加等に伴い、臨時的に限度時間を超えて労働させる必要がある場合、いわゆる「特別条項」を定めることができるとしています(労基法36条5項)。

    そのため、「特別条項」がある場合で、特別条項の要件を満たすときは、限度時間を超えて働かせても違法になりません。
    とはいえ、「特別条項」がある場合であっても、以下を守らなければなりません。

    1. ①時間外労働は年720時間以内とすること(労基法36条5項)
    2. ②時間外労働と休日労働の合計が月 100 時間未満であること(労基法36条6項2号)
    3. ③時間外労働と休日労働の合計について、「2か月平均」「3か月平均」「4か月平均」「5か月平均」「6か月平均」が全て1月当たり 80 時間以内であること(労基法36条6項3号)
    4. ④時間外労働が月45時間を超える期間は、年6か月以内であること(労基法36条5項)


    上述したものに違反した場合、使用者には罰則(6か月以下の懲役または 30 万円以下の罰金)が科される可能性があります(労基法119条1号)。

    ●上限規制の適用が猶予されている業種もある
    また、災害の復旧・復興の事業、自動車運転の業務等一定の業種については、上限規制の適用が、2024年3月31日まで猶予されています(労基法附則139条、同140条)。
    加えて、新技術・新商品・新サービスの研究開発業務については、上限規制の適用がないとされています(労基法36条11項)。

3、休日労働、時間外労働を強いられたとき労働者ができること

休日労働、時間外労働を求められたとき、どのようなことができるでしょうか。代表的なものを説明します。

  1. (1)違法な休日労働・時間外労働であれば断る

    まず、休日労働、時間外労働を求められたとき、違法な残業命令であれば、「できません」と断る方法が考えられます。
    上限規制を超える違法な時間外労働等を求められたときには、心身の健康のために、断ることも大切でしょう。

    しかし、労働時間の規制は複雑で、このコラムには書ききれなかった例外等も多々あります。そのため、休日労働や時間外労働を要請されたとき、とっさに適法か違法かの判断をすることは非常に困難なことです。また、今後も勤務を続けていくことを考えると、残業を断ると居づらくなったり、不利に取り扱われたりすることを懸念して、結局休日労働や時間外労働に応じてしまうことも多いようです。また、断ろうとしても、断れないということも多いのではないでしょうか。

  2. (2)労働基準監督署などに相談する

    36協定がないのに、休日労働や1日8時間又は週40時間以上の時間外労働をさせている場合や、先ほどの上限規制を超えているような場合は、労働基準監督署に相談するのも有効な方法でしょう。

    もっとも、当職が相談を受ける中では、労働基準監督署に相談しても思うようには動いてくれなかったりするケースが散見されるほか、労働基準監督署が調査を開始しても使用者が思ったように対応を改めてはくれないケースなども散見されます。

  3. (3)残業代請求をする

    1日8時間、週40時間を超えて働かせた場合や、休日労働させた場合には、割増賃金を請求することができます(労基法37条1項)。

    ●割増賃金の割増率
    割増賃金は、1日8時間又は週40時間を超える時間外労働について、最低でも通常の賃金の計算額の2割5分(25%)多い金額を支払わなければならないとされています(労基法37条1項、平成11・1・29政令第16号)。つまり、通常の賃金から計算される1時間当たりの賃金に、1.25をかけた金額に、時間外労働時間数をかけたものを請求できることになります。

    なお、休日労働をすると、3割5分以上の割増賃金を払わなければならないとされています(労基法37条、平成平成11年1月29日 政令第16号)。つまり、通常の賃金から計算される1時間当たりの賃金に、1.35をかけた金額に、休日労働時間数をかけたものを請求できることになります。

  4. (4)具体例な残業代の計算例

    例を挙げてみてみましょう。

    たとえば、時給1000円で働いているAさんがいたとします。
    そして、この時給1000円が残業代の計算の基礎となるとします。
    そして、Aさんの所定労働時間は、9時~17時(1時間休憩)とします。

    ●Aさんが平日に、9時~21時(12時~13時まで休憩)で働いた場合の残業代計算
    17時~18時 1000円×1×1時間=1000円(法内残業)
    18時~21時 1000円×1.25×3時間=3750円(法定時間外残業)
    (合計)4750円

    ●Aさんが休日に、9時~17時(1時間休憩)で働いた場合の残業代計算
    9時~17時 1000円×1.35×7時間=9450円
    (合計)9450円

    このように、残業代の計算方法は、

    時間単価×割増率×残業した時間

    になります。

    なお、経営者と一体的な立場にある者(「管理監督者」といいます)には、残業代は出ません(労基法41条2号)。しかし、役職がついていれば必ず「管理監督者」にあたるというものではなく、法律上は管理監督者にあたらないのに、役職者であることを理由に、残業代が不当に支払われていないことが多々あります。

    管理監督者にあたるかどうかの判断は、裁判例による基準があるのですが、裁判所でもケース・バイ・ケースでたくさんの事実をふまえて判断されていますから、役職がついている方が残業代請求する場合は、一度お近くの弁護士に相談することをおすすめします。

4、残業代請求を弁護士に依頼するメリット

残業代を請求する方法としては、自分で内容証明を書くなどして対応するという方法もありますが、弁護士に依頼すると、以下のようなメリットがあります。

  1. (1)残業代計算を弁護士に任せることができる

    割増賃金は、上記のように、休日か否か、法内残業か、法定時間外残業かなどによって割増率が異なります。
    これをひとつひとつ正確に計算するのは非常に大変な作業です。
    ですが、弁護士に残業代請求を依頼することで、この作業を弁護士に任せることができます。弁護士は残業代計算に慣れていますから、はじめて計算される方よりも正確に、かつ、速く計算をすることができます。

  2. (2)時効をとめる処理をとってもらえる

    残業代には消滅時効があります。
    くわしくご説明しますと、2020年3月31日以前の残業代の消滅時効は、2年です。一方、民法改正の影響を受け、2020年4月1日以降の残業代については、当面、消滅時効が3年になるといわれています(労働政策審議会労働条件分科会令和元年12月27日。なお、最終的には消滅時効は5年に延びる方向で調整が続いているようです)。

    残業代を計算したりするのにはある程度時間がかかりますから、時効にかかる前に時効を応急的にとめる処置が必要になります。弁護士であれば、ご依頼があった時点で請求できる残業代が時効にかからないよう、「催告」(民法150条)などの応急処置をとることができますので、大切な残業代をより多く請求することができる可能性があります。

  3. (3)交渉を弁護士に任せることができる

    また、弁護士に依頼すると、すぐ訴訟になるイメージを持っている方も多いのですが、通常は、まず、使用者に対する交渉から始めます。
    弁護士は法律の専門家ですから、使用者が交渉で主張していることが法律的にどのくらい正当かどうかを判断することができるため、法的に不当な主張は不当だと判断できますから、交渉をより適切に進めることができます。

  4. (4)審判や訴訟等を起こすこともできる

    また、使用者が残業代を支払わない場合、弁護士は、審判や訴訟など、裁判所を使った手続きを代理することもできます。
    そのため、交渉が行き詰まった場合、審判や訴訟を提起すべきか、メリットデメリットを踏まえ、アドバイスすることができますし、ご希望があり、見込みがあれば、審判や訴訟など裁判所を使った残業代の請求を行うことも可能です。

5、まとめ

休日労働や時間外労働をしているのに、1円も支払われない、というのはつらいものです。
お悩みがあれば、無料相談も行っておりますので、お気軽にベリーベスト法律事務所 広島オフィスまでご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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