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その値下げ要求は大丈夫? 下請法における「買いたたき」とは?

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2019年09月27日
  • 顧問弁護士
  • 買いたたき
  • 広島
その値下げ要求は大丈夫? 下請法における「買いたたき」とは?

2015年2月にプロ野球の広島東洋カープがグッズの納入業者に対して消費増税分を価格に上乗せしないよう求めたとして、公正取引委員会から、消費税転嫁対策特別措置法違反(買いたたき)として勧告されたという報道がありました。

このように、力のある企業が取引業者や下請業者に対して不当な値下げを要求すると「買いたたき」として法令に違反することになります。価格交渉はビジネスを行う上で日常的に行われますが、どのような場合に下請法に違反になるのか、また、違反した場合はどのようなペナルティが生じるのかなど、ベリーベスト法律事務所 広島オフィスの弁護士が解説します。

1、買いたたきとは

買いたたきとは、親事業者が、下請事業者と下請代金の額を決定する際に、発注する物品などに通常支払われる対価に比べ、著しく低い額を不当に定めることです。下請法では、このような行為を禁じています。
下請法とは、「下請代金支払遅延防止法」の略で、この法律では、親事業者の下請事業者に対する取引を公正ならしめるとともに、下請事業者の利益を保護し、もって国民経済の健全な発達に寄与することを目的としています。
下請事業者は、親事業者から仕事を貰っている関係上、親事業者に逆らうことはできないため、不当な要求がなされないよう、法律が保護しているわけです。

下請法の第4条1項5号では親事業者は、下請事業者に対し製造委託等をした場合は「下請事業者の給付の内容と同種又は類似の内容の給付に対し通常支払われる対価に比し著しく低い下請代金の額を不当に定めること。」をしてはならないと規定しています。

通常支払われる対価とは、市場価格と考えられています。市場価格の判断が難しい場合には、過去の取引価格を参考に決められます。具体的には、①代金の決定が親事業者の一方的なものでないか、②市場価格と著しく乖離していないか、③原材料などからみて妥当な価格かどうかなどによって判断されます。

さらに、価格の引き下げだけでなく、たとえば、原油価格の高騰や人件費の高騰などにより原価が上がっていることが明らかなのに価格を据え置くことも買いたたきに該当します。

2、買いたたきの事例

買いたたきの事例としては、全国に小売店をチェーン展開する会社で起きた事件があります。概要は次のとおりです。

同社は店舗で販売する自社ブランドの日用品等の製造を下請事業者に委託しており、平成24年5月から平成25年10月までの間に、①販売期間が終了したもの、②売行きが悪いもの、③受領後6ヶ月を経過したもの、の商品を下請け業者の責めに帰すべき事由がないのに返品し、その送料まで負担させていたということです。その総額は、1億3915万7024円(下請事業者64名)にもなります。

また、同社は、平成24年11月から平成25年11月までの間に、商品の売行きが悪いことを理由として、発注前に下請事業者と決めていた予定単価を約59パーセントから約67パーセント引き下げて発注したということです。予定単価と実際の下請代金の額との差は、総額657万8897円(下請事業者2名)になります。

公正取引委員会は、同社に対し調査を行った結果、下請法第4条1項4号(返品の禁止)および同項第5号(買いたたきの禁止)の規定に違反するとして、平成26年7月15日、同社に対し勧告を行いました。勧告の内容は、概ね次のとおりです。

【勧告の内容】
  • 取締役会で下請法違反の事実があることと、今後違反行為を行わないことを決議により確認すること
  • 取締役会決議に基づいて取った措置の内容を役員および従業員に周知徹底すること
  • 法務担当者による下請法の遵守状況についての定期的な監査や役員及び従業員に対する下請法遵守のための定期的な研修などの措置を取るとともに、その措置の内容を役員および従業員に周知すること
  • これらの内容を取引先下請事業者に通知すること
  • これらの措置の内容について速やかに公正取引委員会に報告すること


このように、買いたたきとして、下請法違反を行うと公正取引委員会から勧告を受けることになります。勧告の内容はホームページに公開され、社会的な信用も低下することになりますので、下請法に違反しないよう注意しなければなりません。

3、親事業者は知っておくべき下請法と禁止行為

下請法には、「買いたたき」以外にも、禁止行為がいくつも規定されています。主な禁止行為について紹介します。

①受領拒否の禁止(第4条1項1号)
親事業者が、下請事業者に対して注文した商品を下請事業者が納入してきたのに、親事業者が下請業者の責めに帰すべき理由もなく受領を拒むことです。

②下請代金の支払遅延の禁止(第4条1項2号)
親事業者が、商品などを受領した日から60日以内に定めた支払期日までに下請代金を全額支払わないことです。

③下請代金の減額(第4条1項3号)
親事業者が、発注時に決定した下請代金を下請業者の責めに帰すべき理由もなく発注後に減額することです。

④返品の禁止(第4条1項4号)
親事業者が、下請事業者から納入された商品などを受領した後に、下請業者の責めに帰すべき理由もなく、受領後に返品することです。

⑤購入・利用強制の禁止(第4条1項6号)
親事業者が、正当な理由がないのに、親事業者の指定する物や役務を強制的に下請事業者に購入させたり、利用させたりすることです。

⑥報復措置の禁止(第4条1項7号)
親事業者が、下請事業者が親事業者の下請法違反行為を公正取引委員会又は中小企業庁長官に知らせたことを理由として、その下請事業者に対して、取引数量の削減や取引停止などの不利益な取扱いをすることです。

⑦有償支給原材料等の対価の早期決済の禁止(第4条2項1号)
親事業者が、下請事業者に原材料などを有償で支給している場合に、当該原材料などを用いて製造された物品の代金の支払期日より早い時期に、当該原材料などの対価を相殺したり支払わせたりすることです。

⑧割引困難な手形の交付の禁止(第4条2項2号)
親事業者が、下請事業者に対し下請代金を手形で支払う場合に、一般の金融機関で割り引くことが困難な手形を交付することです。

⑨不当な経済上の利益の提供要請の禁止(第4条2項3号)
親事業者が、下請事業者に対して、金銭や役務などの経済的な利益を提供させることです。

⑩不当な給付内容の変更及び不当なやり直しの禁止(第4条2項4号)
親事業者が、下請業者の責めに帰すべき理由がないのに、発注の取消や発注内容の変更を行い、又は受領後にやり直しをさせることです。

4、下請法に違反した場合のペナルティ

  1. (1)指導

    下請法に違反する疑いがある場合には、立入検査を行ったり報告を求めたりして、事実関係の確認が行われます。その上で、違反の事実が軽微な場合には、改善するよう指導を受けることになります。

  2. (2)勧告

    下請法の「買いたたき」に該当すると認められる場合、公正取引委員会は、その親事業者に対し、速やかにその減じた額を支払い、その下請代金の額を引き上げるなどの措置をとるべきことを勧告することになっています。

    勧告の内容としては、①今後違反行為を行わないことの取締役会での決議、②差額の支払いなどの原状回復、③再発防止策の策定と役員、従業員への周知、④改善報告書の提出が主なものです。

  3. (3)排除措置命令、課徴金納付命令

    なお、勧告に従わない場合は、独占禁止法に基づく「排除措置命令」や「課徴金納付命令」が出されます。下請法は独占禁止法の補完法なので、大元の独占禁止法によって命令という行政処分が下されます。勧告と異なり、命令に従わない場合には刑事罰の対象となります。

5、下請法違反にならないためには

これまで見てきたように、下請法にはさまざまな禁止行為があり、下請法に違反すると勧告を受け、その内容がホームページで公開されることになります。そうなれば、会社の信用に傷が付きます。

そのため、親事業者としては、役員も従業員も下請法を十分に理解するよう努め、下請法に違反する行為を行わないようにしなければなりません。また、取引先とのコミュニケ?ションを増やし、知らないうちに不当な要求をしていないか、チェックすることも重要です。

下請法に限った話ではありませんが、今の時代、コンプライアンスや内部統制の体制整備は重要なので、定期的に内部監査を行うなどして、確認することが必要です。可能であれば、監査をする職員の中に下請法に精通した責任者を配置して、発注書などを確認するようにすることが望まれます。

その他、自社だけでは限界があるので、第三者にチェックを依頼するというのも有効です。公認会計士などの専門家を活用して、不当な金額となっていないかについて第三者の視点から確認して貰うとよいでしょう。

最後に、下請法に違反する行為なのか微妙なケースについては、弁護士に相談するなどして予防することが大事です。

6、まとめ

今回は、「買いたたき」とはどのようなものか、また、「買いたたき」に該当する場合に受けるペナルティなどについて解説してきました。

商売の基本は安く仕入れて高く売ることなので、取引業者からどうしても安い値段で購入したいと考えがちです。しかし、当事者対等の関係においては価格の交渉はよいとしても、優越的な地位に基づいて不当に安い価格での購入ということになれば、それは許される行為ではありません。

下請法にはかなり細かく、禁止行為が規定されていますので、迷われる場合には弁護士に相談することをおすすめします。

当事務所には、下請法や独占禁止法の知識が豊富な弁護士がおりますので、下請法について相談したいという場合には、ベリーベスト法律事務所 広島オフィスまでご相談ください。

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