5ちゃんねるに誹謗中傷を書き込まれた! 削除する方法は?

2019年04月26日
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5ちゃんねるに誹謗中傷を書き込まれた! 削除する方法は?

広島県警察のホームページでは、インターネット上での誹謗中傷や名誉毀損(きそん)に関する注意喚起を行っています。

ここには、インターネット上の掲示板に悪口などを書き込まれた場合に、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」(通称、「プロバイダ責任制限法」と呼ばれています。)が紹介されています。プロバイダは、投稿等を無断で削除すると、投稿した人に対し損害賠償責任を負い得ますが、このプロバイダ責任制限法によって、プロバイダが損害賠償責任を負わないように保護されています。その結果、プロバイダは、安心して誹謗中傷等を削除できるようになりました。

インターネットが急速に普及した現代、5ちゃんねる(5ch)をはじめとした掲示板サイトにおける誹謗中傷被害に遭う可能性が高まっています。ちょっとした人間関係のトラブルをネタに、心ない誹謗中傷の記事をアップされてしまうと、情報が爆発的に拡散されてしまう可能性があります。
今回は、匿名掲示板サイト「5ちゃんねる」において誹謗中傷の記事を書き込まれてしまった場合の対応法を、広島オフィスの弁護士が解説します。

1、5ちゃんねる(5ch)とは?

「5ちゃんねる」という名前を聞いたことがあるでしょうか。まずは「5ちゃんねる」という名前の、匿名掲示板について簡単に説明しておきましょう。
インターネットにおける匿名掲示板のなかでも、非常に有名なのが「2ちゃんねる(2ch)」でしょう。かつて殺人予告などがされたことで大々的に報道され、注目を浴びたことを覚えている方もいるかもしれません。
5ちゃんねる(5ch.net)は、「2ちゃんねる」の後に登場した匿名掲示板サイトです。「2ちゃんねる」に似ていますが、現在も「2ちゃんねる(2ch.sc)」は存在し、5ちゃんねるとは運営元もURLも異なります。
いずれも、たくさんのカテゴリの中から、興味があるジャンルの掲示板に自由に書き込みができるサイトになっており、匿名で誰もが投稿できることから、インターネットを利用したコミュニティーの形成に一役買っています。
しかし、匿名性が高いということはメリットであると同時にデメリットにもなり得ます。誹謗中傷や名誉毀損が書き込まれやすく、デマなども横行しやすくなるためです。
さらに、匿名掲示板である5ちゃんねるや2ちゃんねるへの投稿を転載してまとめた「まとめサイト」も多数あるため、その他の掲示板へ誹謗中傷を書き込まれてしまったケースと比べて、より拡散されやすいという特性があります。

2、5ちゃんねるの誹謗中傷を削除する方法

上述のように、5ちゃんねるでの誹謗中傷は、放置しておくと急速に広がっていく恐れがあります。5ちゃんねるに限らず、掲示板サイトで誹謗中傷を受けた場合には、早急に人目に触れないように削除を依頼しましょう。
5ちゃんねるの書き込み削除を要請する方法として、以下の方法があります。

  1. (1)メールによる削除依頼

    5ちゃんねる側が指定しているメールアドレス宛てに、指定の方式で、削除を求めるメールを送信しましょう。これは、誹謗中傷の書き込みを見つけたらすぐに、自分でもできる方法です。
    ただし、5ちゃんねる運営会社に対し、本人確認の資料を提出する必要がありますので、個人情報を伝えたくない方にはおすすめできません。
    また、メールによる削除依頼は運営会社による審査結果によっては、削除されないことがあります。この審査にあたっての、判断基準もサイト内に掲載されています。冷静に削除判断基準を読み、理解し、適切なメールを送信する必要があります。

  2. (2)削除要請フォームによる削除依頼

    5ちゃんねるが用意している「通報」と呼ばれるフォームに必要事項を入力して送信することでも削除依頼が可能です。メールと同様に、素早く手軽に要請できるというメリットがありますが、条件面においてデメリットがあります。
    まず、フォームによる削除依頼は、専用の掲示板に公開されてしまいます。削除依頼者と、該当の投稿をわざわざチェックして面白がる者が一定数いるため、さらに情報が拡散してしまう危険もあるでしょう。新たな誹謗中傷が起こる可能性があります。
    また、メールによる削除依頼と同様、設定されている削除基準に該当しないと判断された投稿は削除してもらえません。

  3. (3)弁護士による削除依頼

    上記のように個人で削除依頼をしても対応してもらえないときは、弁護士に依頼することをおすすめします。弁護士は、依頼を受けると、削除を求める交渉をする他、削除に応じない場合には、下記に述べる裁判所を利用した手続きをとることも検討します。

  4. (4)裁判所の仮処分による削除

    民事保全法に基づいて裁判所が削除の仮処分を下した場合、通常、プロバイダは削除に応じてくれます。仮処分という手続きは、簡単にいえば「緊急で権利を守るため」にする決定のことです。
    裁判所が決定した仮処分については、5ちゃんねるも原則的に従うという姿勢であるため、仮処分が決定されたら「仮処分が下されている」という旨を明記したメールで削除を求めます。

3、削除業者への依頼は要注意!

インターネット上では「書き込み、削除します!」といった通称「削除業者」や「削除屋」の広告が目立ちます。
5ちゃんねるの書き込み削除を依頼する行為は、原則的には被害に遭った本人が手続きをすることになります。
弁護士法に非弁行為の禁止と呼ばれる規定があり、「弁護士でない者は報酬を得る目的で法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない」(弁護士法72条抜粋)と法律で定められています。そのため、法律事務について、報酬と引き換えに代行することができるのは弁護士のみです。

もし、弁護士資格を持たない者が報酬を受け取り、権利者に代わって削除依頼を行うと、弁護士法が定める非弁行為にあたる可能性があります。非弁行為によって処罰されるのは削除業者ですので、依頼者側にはデメリットはないと思うかもしれません。しかし、削除業者に高額な料金を支払ったのに、削除がかなわなかったというトラブル事例もあるようです。今後のトラブルを回避するためにも、5ちゃんねるにおける誹謗中傷の書き込み削除を依頼する場合は、削除業者などは避けたほうがよいでしょう。 また、削除ではなく、SEOと呼ばれる「検索サイトで上位に表示されないようにする」という対応を行う業者もあります。しかし、検索サイトの上位検索条件は日々進化しているものです。一時的に下がったとしても、また上位に表示されてしまう可能性は否定できません。削除しておいたほうがより根本的な解決が期待できます。

4、弁護士に削除を依頼するメリット

5ちゃんねる上の誹謗中傷を削除依頼する場合には、弁護士に相談して依頼することをおすすめします。なぜなら、弁護士法上、法律事務を有償で取り扱うことが法律上認められているのは、弁護士に限られるためです。
弁護士であれば、法的な手続きについて熟知しているため、状況に応じて有効な手段を選択し、依頼人の希望をかなえることを第一に活動します。

5、まとめ

インターネット掲示板「5ちゃんねる」で誹謗中傷を受けた場合に、どのように削除を依頼するのかを中心に解説しました。
インターネットは匿名性が高いため、根拠のない誹謗中傷や、大切なプライバシー情報が拡散してしまう危険があります。もし5ちゃんねる上で誹謗中傷の書き込みを受けた場合は、まずはメールやフォームによる削除依頼を試すことはもちろんですが、事態が急を要する場合や悪質な場合には、弁護士に相談するのが有効です。
ベリーベスト法律事務所・広島事務所では、5ちゃんねるにおける誹謗中傷の書き込み削除依頼について、弁護士が、みなさんのお悩み解決に向けて強力にサポートします。ぜひお気軽にお問い合わせください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています