残業代請求を弁護士に依頼したら、費用はどのくらいかかる?

2019年03月29日
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残業代請求を弁護士に依頼したら、費用はどのくらいかかる?

観光地としても名高い広島県広島市は、中国地方を代表する大都市です。さまざまなサービス業が存在し、たくさんの方が働いています。平成27年の国勢調査の結果でも、157692人の方がサービス業に従事していることがわかっています。サービス業の多くは接客が伴います。勤務時間の前後に準備の時間があったり、お客さま対応が長引いたりと、本来の勤務外の時間にも働かざるを得ない場合も多いことでしょう。

それでも残業代が支払われていればよいのですが、正しく支払いが行われないケースがあります。しかも2年以内に請求しなければ、請求の権利すら失われてしまうのです。

残業代について悩んでいる方は、まずは弁護士に相談してみることをおすすめします。しかし、費用面で相談自体を悩む方もいるでしょう。そこで今回は、残業代請求を弁護士に依頼した場合、どれくらいの費用がかかるのかを解説します。

1、残業代請求を弁護士に依頼した場合の料金

結論から先にいいますと、弁護士費用に関する規定は現状ありません。つまり、費用はそれぞれが独自に決めているため、法律事務所によって異なるものなのです。また、個々の状況によってかかる経費も異なります。

したがって、明確な料金を一般論として語ることは難しいでしょう。ただし、必ずかかる費用として換算される項目はどの法律事務所でもほとんど変わりません。そのため、必ずかかる費用をベースとして、成功報酬を加算するという換算方法を採用しているケースが多いと考えられます。費用面に不安があれば、ホームページ上で明確に提示している弁護士事務所を選択することをおすすめします。

・ 相談料:1時間あたり、0~1万円程度
弁護士などの士業は相談した段階で費用が発生するケースが一般的です。ただし、最近では無料相談を行っている事務所も増えています。ぜひ問い合わせてみてください。また、公共機関で無料相談会を開催している場合もありますので、積極的に利用してみましょう。

・ 着手金:0~30万円程度
弁護士が依頼を受諾した段階で発生する費用を着手金と言います。依頼の成功・失敗にかかわらず支払う料金です。法律事務所によっては着手金を無料にしています。

・ 手数料など:数万円程度
残業代請求では会社に対し内容証明郵便を送ったり各種書類を作成したりする必要があります。その際にかかる費用が手数料です。これは必ずかかるお金だと思っておいたほうがよいでしょう。

・ 実費:事務所ごとに異なる
弁護士の交通費や通信費、印紙代など、残業代請求の交渉などのために要した経費が別途必要となるケースが一般的です。

・ 日当やタイムチャージ:事務所ごとに異なる
交渉や出張などを要し、弁護士を長時間拘束する必要がある場合、日当やタイムチャージが発生する弁護士事務所もあるようです。

・ 成功報酬:請求額の30%程度
残業代請求がうまくいった場合に支払うのが成功報酬です。一般的には、弁護士の介入により依頼者が受けた経済的利益の割合に応じて請求が行われます。


弁護士費用は事務所によって大きく異なります。費用が心配で相談できないという方は、まずは無料の法律相談などを利用してみて、そこで料金の相談をしてみてはいかがでしょうか。公的な資金援助を紹介してもらえる場合もありますので、ぜひ活用してみてください。

なお、ベリーベスト法律事務所でも、残業代請求をご依頼いただいたときにかかる弁護士費用について明示しています。ぜひ参考にしてください。

2、弁護士に依頼するメリットは?

「未払い残業代を請求しても手間と時間の割にそれほどお金が手に入らない」と聞いて、残業代請求を諦めた方もいるかもしれません。また、「残業代請求なら請求者本人だけでもできる」という話もよく聞きます。これらは果たして正しいのでしょうか?

そこで、弁護士に依頼した場合の手続きの流れを説明します。残業代請求を行う際は、基本的には示談交渉からスタートし、労働審判、訴訟の順で請求することになります。弁護士に頼んだ場合、そうでない場合について考えてみてください。

  1. (1)短時間で解決する

    弁護士に依頼した場合、審判や訴訟を視野に入れた交渉を行います。弁護士が最初から介入していた一般的な残業代請求であれば、1ヶ月~2ヶ月ほどで示談交渉によって解決するケースもあります。また、労働審判で解決すると3ヶ月ほどで手続きは終了すると考えられます。

    訴訟までいけば1年以上かかるケースもありますが、裁判まで発展しないケースもあります。なぜなら、大きな企業ほど審判や裁判までに発展すると、報道されることになるため、社会的なダメージを受ける可能性が高まるためです。

  2. (2)手間がかからない

    弁護士に依頼しなかった場合、最初の示談交渉の段階ではもちろん、労働審判や訴訟の書類作成や証拠準備も自分で作成する必要があります。その時点で多くの知識と時間が必要となるでしょう。法的な根拠をしっかり固めることもできず、交渉が困難となることもあるかもしれません。さらに、自身で示談交渉を行うときは、自らが矢面に立つことになります。

    一方で、弁護士に依頼すれば必要書類は弁護士が作成するので、依頼者の負担は軽くなります。また、弁護士との打ち合わせさえしっかりできれば、会社と直接顔を合わせることなく交渉を進めてもらうことが可能です。また、労働審判や訴訟になっても、書面の作成や証拠の整理などは弁護士が行います。裁判所を訪れるのも1回程度で済みます。

    弁護士に依頼すれば、準備を含め様々なことに対応します。依頼者には自分でするほど手間はかかりません。新天地への転職を果たしつつ、残業代請求を行うことは決して難しいことではないのです。手間暇や精神的な面を考えると、弁護士に依頼するメリットは非常に大きいといえるでしょう。

3、費用を抑えるには?

弁護士に依頼した場合のメリットは大きなものです。しかし、受け取った残業代から支払うことができたとしても、弁護士費用はできるだけ抑えたいと思うことは自然なことでしょう。

そこで、残業代請求に関しての弁護士費用を減らすためにできることを紹介します。

  1. (1)可能な限り証拠を集める

    残業代請求には、自分が残業をしたという証拠・残業代が未払いである証拠が必要となります。証拠が不十分であれば請求そのものが困難となるため、弁護士が手続きを行い、証拠集めを行うこともあります。それには当然、費用がかかります。

    また、証拠が十分にそろっていないと、会社との交渉が長引く可能性が高まります。期間が長くなればなるほど、弁護士費用が高くなっていくと考えてよいでしょう。円滑に話し合いを進めるために、あらかじめ自分でできるだけ証拠を集めておくことをおすすめします。

    有効な証拠には以下のようなものがあります。

    • 雇用契約書
    • 就業規則
    • 始業時間・就業時間を証明する資料
    • 残業時間に働いていたことを証明する資料


    これらはコピーや、携帯で撮影した写真でも構いません。できるだけ多く集めてください。

  2. (2)無料相談を活用する

    弁護士事務所によっては無料相談を行っています。証拠さえそろっていれば、相談の段階でおおまかな未払い残業代の金額も計算することができるでしょう。さらに、実際にかかる弁護士費用の目安にも答えてもらえるはずです。

    無料相談は、初回のみに限らず、何度でも無料とする法律事務所もあります。自分が納得できる依頼をすることができるでしょう。

  3. (3)状況に適した料金プランの選定

    残業代請求では、会社が請求をスムーズに受け入れるかどうかで依頼者の損得が大きく変わります。完全成果報酬制度を取っている弁護士事務所を検討することもひとつの手です。

    ただし、多くのケースで実費は請求されるでしょう。たとえば、弁護士事務所から会社や、管轄の裁判所までの距離が遠ければ遠いほど交通費などは必ずかかります。あなたの自宅から会社の所在地が遠ければ、自宅近隣の弁護士事務所に依頼すると実費経費が、想像以上に高くなってしまう可能性もあるでしょう。その場合は、全国にオフィスがある弁護士事務所に依頼することで、節約できる可能性があります。

    弁護士に依頼する際は、依頼前に料金体系について細かく確認して、予想外の請求をされないように気をつけましょう。また、残業代請求の金額によって異なる料金体系を使い分けると費用を抑えることが可能になります。

4、まとめ

今回は残業代請求を弁護士に依頼した場合の費用について説明しました。弁護士費用は決して安いとは言えないかもしれません。しかし、未払いの残業代請求を行う際にかかる、労力や要する時間はもちろん、自分で行うときに伴う精神的なプレッシャーを考えると、大きなものではありません。多くのケースで、取り戻した残業代から支払える範囲であり、残業代請求をしないという選択をした場合に比べればプラスになります。

費用を少しでも抑えたいという方は、事前に自分のできる範囲で準備をしましょう。証拠集めなどは早めに開始して、あらかじめ準備しておくことをおすすめします。

広島で残業代請求を弁護士に依頼しようか迷っているときは、まずはベリーベスト法律事務所 広島オフィスで相談してください。労働問題や残業代請求対応を熟知した弁護士が、状況に適したアドバイスを行います。気になる費用もホームページで明示しているので、ぜひご確認ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています