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美術品の相続税評価や、申告の注意点を解説

2022年05月02日
  • 相続税申告
  • 美術品
  • 相続
美術品の相続税評価や、申告の注意点を解説

親族が亡くなって相続人となった時には、相続税の申告手続きをする必要があります。相続税の申告には期限があります。無申告や申告漏れの場合には、ペナルティーが課されることもあるので、注意が必要です。

また、遺産の中に美術品や骨とう品があると、その価値の評価に悩まされることがあります。預貯金や現金と違って、美術品や骨とう品の客観的な評価額は、はっきりしないことが多いからです。

本コラムでは、美術品や骨とう品を相続することになった方のために、相続税の評価方法や、申告方法と申告漏れした際のペナルティーなどについて、ベリーベスト法律事務所 広島オフィスの弁護士が解説します。

1、美術品や骨とう品は「動産」と扱われる

動産とは、法律上、不動産以外の物をいいます。

民法第86条
1 土地及びその定着物は、不動産とする
2 不動産以外の物は、すべて動産とする


法律上の定義では、「動産」に該当する物は無数にあります。例えば、現金、相続人の衣類、写真、家財道具、高価な美術品や書画骨とう品などは、すべて「動産」なのです

動産のうち、現金は、額面金額をそのまま分ければよいため、評価も分割も簡単です。
また、財産的価値のない衣類や写真、家財道具などは、いわゆる「形見分け」として、相続人間で話し合って引き継ぐケースがほとんどです。
この場合は、金額よりも個人の思い出や感情を重視して分けることとなり、財産価値もないため、評価額が問題となることはほとんどありません。

動産の相続で問題となるのは、絵画などの美術品や、価値の高い骨とう品です。
これらの動産の時価は、現金や預貯金等と異なり、経済的価値が一律に確定しているとは言えないため、「評価」が必要となります。
そして、相続税法は、遺産の額が高ければ高いほど、高い税金を納めるという仕組みになっています。つまり、動産の評価額は、相続人が納めるべき税金の額に直結するのです。
そのため、動産の価値の評価は、慎重に行う必要があります

2、美術品は「時価」で相続税評価される

美術品や骨とう品を評価する方法について、具体的に解説します。

  1. (1)相続税評価は「時価」による

    相続財産としての美術品や骨とう品は、すべて「時価」で評価されます。
    相続税法第22条によって、相続財産の評価は原則として相続が開始した日(被相続人の死亡の日)の時価で計算すると定められているからです。

  2. (2)時価の算定方法は?

    時価の判断は、自己判断で勝手に決められるものではありません。
    客観的に説得力のある時価額を算出する基準は、以下の4点とされています。

    ① 同じものが現在も販売されている場合は現在の販売価格
    遺産に含まれる美術品や骨とう品に汎用(はんよう)性があり、同じものが現在も販売されている場合は、その価格がひとつの基準となります。
    ただし、美術品や骨とう品は、品物自体が貴重であり、同じ作品が存在しないも多いため、この基準が当てはまらないことも多々あります。

    ② 美術品専門買取業者の査定価格
    比較的安価な美術品の場合には、買取専門業者に査定を依頼するという方法が、よく利用されます。査定をすれば、仮に美術品や骨とう品を換金した場合の金額が判明するため、客観的な指標となります。

    ③ 美術商や歴史研究者などの専門家による鑑定価格
    美術品や骨とう品のなかには、歴史や芸術的価値から、とても高い価値を持つものもあります。
    しかし、こうした高価値の品物については、偽物が混じっている場合もあります。そのため、そもそもの真贋(しんがん)の見極め自体が重要となります。このような場合には、美術商や歴史家などの学術的な専門家に正式に鑑定を依頼して、鑑定書面を作成してもらうことが、確実性の高い方法となります。鑑定には費用がかかりますが、専門家の鑑定結果への信頼性は高いため、遺産の価値を正当に評価するなら検討すべき方法といえます。

    ④ 現物を購入した時の価格
    査定や鑑定ができない場合には、現物を購入した時点での価格も参考になります。購入時の売買契約書や保証書も、参考として用いることはできます。
    ただし、購入時の価格は、あくまで、時価を算定するための参考に過ぎず、当時の購入価格がそのまま時価ということにはならない点に注意してください。

3、美術品や骨とう品の相続税を申告する際の注意点

  1. (1)相続税の申告漏れに注意

    美術品や骨とう品は、価値がはっきりしないため、相続税の申告の際に漏れてしまう可能性があります。
    また、美術品には、不動産や預貯金のようにわかりやすい名義はありません。「押し入れの奥で、人知れず眠っていた」という場合もあるでしょう。そのような場合には、美術品などを相続税の対象に入れないまま、相続税の申告を済ませてしまったということが有り得るのです。

    しかし、高額な美術品や骨とう品の申告漏れは、後から税務署に発覚して、ペナルティーを受ける可能性があります

    高級な美術品販売業者は、販売先のリストを税務署に申告することになっています。また、高額な美術品がたくさん流通する百貨店についても、税務署は顧客リスト入手の権限を持っています。したがって、「親族が知らない資産の存在を、税務署が知っている」という事態もあり得るのです。
    そもそも相続税がかからない程度の遺産であれば調査が及ばない可能性もありますが、遺産額が大きい資産家や、美術品がたくさん遺産に含まれるような場合には、申告漏れは厳しく調査されると認識したほうがよいでしょう。

  2. (2)申告漏れのペナルティーは?

    相続税の申告漏れが見つかった場合に課される可能性のあるペナルティーについて、解説します。

    ① 延滞税
    相続税の納付期限を過ぎた場合には、延滞税が発生します。
    相続税の納付期限は、相続開始(被相続人の亡くなった日)の翌日から10カ月以内です。なお、延滞税は、支払うべき税額の最大年率14.6%です。

    ② 過少申告加算税
    期限内に申告や納税を行ったが、財産の内容に申告漏れがあった場合には、過少申告加算税が発生します。
    美術品や骨とう品の申告漏れをした場合にも、過少申告加算税がかかります。
    なお、いったん申告した後に、税務署からの税務調査の通知が来る前に自ら修正申告をすれば、過少申告加算税が発生しない場合があります。
    税務調査の通知が届いた後に申告した場合は、税額の10%~15%が加算税として徴収されます。

    ③ 無申告加算税
    正当な理由なく、相続税の申告期限にまで申告しなかった場合には、無申告加算税
    が発生します。
    申告の時期によって、5%から15%の加算税が課されることになります。

    ④ 重加算税
    相続税申告に関して、隠蔽(いんぺい)・偽装などの悪質な行為があったときには、重加算税が発生します
    悪質ではあるが、相続税の申告自体は行っていた際には、支払うべき税額の35%が課されます。また、申告さえもしていなかった場合は、支払うべき税額の40%という高額のペナルティーが課されるのです。

4、美術品を遺産分割する方法は?

美術品や骨とう品を遺産相続によって分割する方法は、現物分割、代償分割、換価分割の三種類があります。
それぞれの分割方法の特徴を解説します。

  1. (1)現物分割

    現物分割は、「この絵画は長男、このつぼは次男」というように、動産そのものを現物で分ける方法です。
    シンプルな分割方法であるため、相続人全員が納得できている場合には、もっともスムーズに協議を進めることができるでしょう。

  2. (2)代償分割

    美術品や骨とう品は、一点ごとに評価額が異なるケースがほとんどです。そのため、現物分割で動産を分けると、受け取った動産によって相続人間の受取額の差が生じてしまいます。

    例えば、長男が受け取る絵画には500万円の価値があり、次男が受け取るつぼが100万円の価値があるとすると、長男と次男との相続受取額に400万円もの差が生じてしまいます。
    この差を埋めるために、価値の高い動産を相続する者が、価値の小さい動産を相続する者に対して、代わりに金銭を支払って調整する方法を、代償分割といいます。
    上述した事例の場合には、長男が次男に対し、200万円を支払うことで、兄弟それぞれが300万ずつの価値を取得することになります。

  3. (3)換価分割

    換価分割は、遺産そのものを売却等して現金に換えて、その現金を相続分に応じて分配する方法です。
    換価分割のメリットは、現金に換えてしまうことから、評価について争いが生じにくく、また、あと腐れなく公平な分配ができることにあります。

    なお、一般的な遺産分割としては、共有分割という方法もあります。不動産など、すぐにどうするか決められないケースでは共有のまま相続登記をするような場合もあります。
    しかし、動産を共有にしても、使い勝手が悪く、共有関係にある相続人が亡くなった場合は、その相続人にさらに権利が分属していき、複雑になってしまいます。
    そのため、一般的に、動産に関して共有分割が行われることはありません。

5、美術品の相続に関する悩みはベリーベストに相談

遺産に美術品や骨とう品が含まれる場合は、相続人間で協議がうまく進まず、手続きが止まってしまう場合も少なくありません。
しかし、相続税の納付期限は10カ月と短く設定されています。そして、無申告や申告漏れについては、厳しいペナルティーが課される可能性があるのです
また、遺産分割を行うには、相続人全員の合意が必要となります。法的な手続きや交渉を避けて先延ばしにすることはできません。

ベリーベスト法律事務所では、相続について経験豊富な弁護士と税理士が共に所属し、ご依頼者の方のために、法律と税務のワンストップサービスを提供しています。
広島県内で美術品や骨とう品の遺産分割について気になっている方は、ぜひ、ベリーベスト法律事務所広島オフィスにご相談ください

6、まとめ

本記事では、美術品や骨とう品の相続に関するポイントや注意事項を、法律と税務の両面からお伝えしました。相続手続きをスムーズに行うためには、相続問題に対する法的知識と相続税に関する専門的な知識や経験が必要です。美術品や骨とう品に関する相続についてお悩みの方は、ベリーベスト法律事務所 広島オフィスまでお早めにご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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