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相続登記の義務化はいつから? 登記しないと罰則の適用はあるのか

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2019年10月09日
  • 遺産を受け取る方
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相続登記の義務化はいつから? 登記しないと罰則の適用はあるのか

遠方にある実家の不動産を相続してもそこに住む予定はないという場合、登記名義も変更せず放置している方が多くいます。空き家状態が続くと、建物が風化し、街の美観を損ねるだけでなく、放火の危険や動物が住み着くなど近隣住民へ悪影響を及ぼす可能性があります。

このような空き家に対して行政が対応しようとしても、現在の所有者がわからず、対応できないということがあります。

そこで、相続した場合には相続登記を義務付けることが検討されています。今回は、不動産を相続することになった場合に、どのような手続きが必要なのか、また罰則の適用はあるのかなどについて広島オフィスの弁護士が解説します。

1、相続登記は義務化されるのか?

  1. (1)不動産登記とは?

    不動産登記とは、不動産の表示と不動産に関する権利を公示するものです。
    不動産の表示とは、不動産の物理的状況に関する情報です。土地であれば、「所在」、「地番」、「地目」、「地積」などです。所在とは、文字通り土地がある場所のことです。「東京都世田谷区○町○丁目」というような感じです。地番は、丁目以下の「5番4号」というような表示です。住所と同じ場合もあれば異なる場合もあります。地目とは、「宅地」というようにその土地の使用目的が記載されます。地積は、土地の面積です。

    建物の場合は、「所在」、「家屋番号」、「種類」、「構造」、「床面積」などです。家屋番号は、土地の地番と同じように丁目以下の「5番4号」というような表示です。種類は、「居宅」というように建物の使用目的が記載されます。床面積は建物の床面積です。

    登記には、このように不動産の物理的な内容が記載されるとともに、権利関係も記載されます。具体的には、所有者名や抵当権者名です。抵当権者とは、住宅ローンを組む場合、不動産を担保にするのが一般的ですが、その担保権者が抵当権者です。銀行から住宅ローンを借りる場合、抵当権者欄には銀行名が記載されます。

    不動産登記は、自分がその不動産の権利者であることを示すものなので、売買する場合には、基本的に自分の名義になっていなければなりません。しかし、相続の場合、相続の開始と同時に相続財産は相続人に帰属することになるので、それを第三者に売却するのでなければ、登記をする必要はありません。

    また、不動産登記の名義を変更するためには、法務局で手続きが必要ですが、書類を作成するのは難しいため、司法書士や弁護士などに依頼する必要があります。その手続き費用も発生することから、すでに亡くなっている方の名義のまま放置されるケースが多いのです。

  2. (2)義務化の時期

    現在は、相続開始があっても、相続人に登記をする義務はありません。しかし、政府は相続の場合でも不動産の所有権の移転について登記を義務化することを検討しています。導入の時期は2020年秋の臨時国会に提出される予定です。したがって、相続登記が義務化されるのは早くても2020年秋以降ということになります。

    ただ、登記が義務付けられるようになると、登記申請が一気に増えると思われますので、混雑が予想されます。登記をするためには、遺産分割協議書に相続人全員の署名・押印が必要になりますが、相続開始から時間が経過すると、相続人がさらに死亡するなどして権利関係が複雑化します。相続人の数が増えると、全員に連絡を取るだけでも相当時間がかかるので、早めに登記しておくことが望まれます。

  3. (3)罰則

    罰則が規定されるかについては、現時点では、はっきりしていません。登記の義務化について検討している「登記制度・土地所有権の在り方等に関する研究会」の議論の中では、相続登記義務を怠った場合には、過料による制裁を科すことが考えられるとしています。

    しかし、10万円程度の過料では、登記費用より安いので、実効性を欠くのではないかと指摘されています。さらに、問題なのが、登記義務を怠っていることをどのように捕捉するのかということです。登記申請があったときに義務違反が発覚するとなると、誰も過料の制裁は受けたくないので、かえって申請をしなくなるとの指摘もあります。

    あくまで推測ですが、義務化されたとしても罰則がなければ誰も登記しようとは思わないはずなので、何らかの罰則は規定されると思います。10万円程度の過料では効果がないとの指摘もありますが、現に表示の登記では10万円以下の過料で運用されていることを考えると、10万円~50万円程度の過料となるのではないでしょうか。

2、相続登記の義務化が検討されている理由

  1. (1)所有者不明土地問題

    相続登記の義務化が検討されるようになった背景には、所有者不明土地問題があります。東日本大震災で津波被害に遭った土地について、不動産登記を確認しても登記上の所有者が死亡しているなどして現所有者が判明せず、復興事業をしたくても用地の買収が進まないという問題が頻発したからです。

    日本は、少子化によって人口が減少しており、将来的に不動産が余ることが予想されています。そうなると、ますます放置される不動産が増え、建物がある場合には、空き家の増加による犯罪の危険性の増加や動物の住み着きなどによる環境問題、放火の危険などさまざまな問題が発生します。

    このようなことから、相続開始があった場合には、登記を義務付けるべきではないかとの議論がなされるようになり、国も動き出したということです。

  2. (2)経済の活性化

    もうひとつは、不動産の所有者がわからないために、用地買収が進まず事業開発などを行えないという問題があります。土地の所有者を探すために多大な時間と費用をかけても所有者が判明するかどうかはわからず、事業を断念せざるを得ないということがあります。

    所有者不明土地問題研究会の平成29年12月の最終報告書によると、地籍調査によるサンプル調査を活用して全国に拡大推計すると、全国の不明率は20%で不明土地の面積は約 410 万haと推計されています。2016年単年だけでも経済的損失は約 1800億円と推計されています。また、今後もこの状況が続いたとしたら不明土地は2040 年には約 720 万 ha まで増加すると推計されています。その経済的損失の累計は約 6 兆円に及ぶと見込まれています。

    これだけ大きい金額が経済損失として発生すると考えると、早急に対策が必要ということがわかります。

3、相続登記をしないとどうなるのか?

相続が開始されても登記を変更しない方が多いのは、その土地を利用する予定がなく、登記を変更するには費用が掛かるからと説明しましたが、相続で登記名義を変更しないとデメリットはないのでしょうか。

相続財産は、相続開始と同時に相続人に帰属します。相続人が複数いる場合には、遺産分割がなされるまでは、相続人みんなで持ち合っている「共有」という状態になります。仮に遺産分割協議が調って誰かがその不動産を単独で相続したとしても、登記名義を変更していないと第三者には権利を主張できません。そのため、たとえば、相続人の一人が借金を延滞していて債権者から不動産持ち分を差し押さえられると、借金を弁済しない限り差し押さえを解除してもらうことはできなくなるという不都合が生じます。

また、これまでも説明してきましたが、登記名義が古ければ古いほど、相続人の数も増えるので、それを探す手間が掛かります。

さらに、今後、罰則が規定されるようになれば、罰則の適用を受けるという不利益が生じます。

4、相続登記を行う前に必要な手続き

  1. (1)不動産の権利関係の確認

    相続登記を行うためには、法務局で申請手続きを行うことが必要になります。登記を申請するにあたり、不動産の権利関係を確認する必要があります。親名義だと思っていたら、祖父名義だったり、ひとつの土地だと思っていたら、複数に分かれていたりということがよくありますので、法務局で登記事項証明書(登記簿謄本)を取り寄せ内容を確認します。登記事項証明書を取る上で注意が必要なのは、地番や家屋番号は住所の番地と基本的に違うということです。法務局に行く前に権利書や固定資産税の通知書で確認しておくようにしましょう。

  2. (2)法定相続人の確認

    不動産の権利関係がわかったら、相続人を特定する必要があります。所有者名義が自分の親であれば法定相続人の特定も簡単ですが、祖父やその上となると法定相続人を特定するのも大変になります。まずは、亡くなった人の本籍地の市区町村で、出生から亡くなるまでの全ての戸籍謄本を取得します。その内容から法定相続人を特定します。

  3. (3)遺産分割協議書の作成

    法定相続人が特定できたら、遺言や法定相続分で登記するのでない限り、遺産分割協議書を作成します。遺産分割協議書は、遺産をどのように分配するのかを定めた文書になります。遺産分割協議書には、法定相続人全員の署名・押印が必要になります。

  4. (4)相続登記手続き

    相続登記の手続きは、法務局で行いますが、窓口に行く方法のほかに、郵送とオンラインで行う方法があります。相続登記に必要な書類としては、以下のものがあります。

    • ○所有権移転登記申請書
    • ○対象となる不動産の登記事項証明書
    • ○被相続人の住民票の除票
    • ○被相続人の死亡時から出生時までの戸籍謄本
    • ○相続人全員の最新の戸籍謄本
    • ○遺産分割協議書
    • ○相続人全員の印鑑証明書
    • ○物件を取得する相続人の住民票
    • ○固定資産評価証明書

5、まとめ

所有者不明土地に端を発した相続登記の義務化ですが、売る予定のない不動産の場合、高いお金を払ってまで登記をするインセンティブはありません。その意味で登記制度には制度的な欠陥があったと言わざるを得ません。今回の相続登記の義務化の議論では、この点を踏まえ、相続登記については負担を軽減することが検討されています。これを機会に不動産の権利関係の明確化が進むことが期待されます。

ベリーベスト法律事務所 広島オフィスでは、相続登記に限らず、不動産の所有権移転などの登記手続きについてもお手伝いできますので、登記についてお困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。

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