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在宅事件になった場合の流れとは? 在宅事件でも起訴される可能性はある?

2019年07月24日
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在宅事件になった場合の流れとは? 在宅事件でも起訴される可能性はある?

平成29年3月、広島県内の温泉施設でレジオネラ菌による集団感染によって1名が亡くなる事件が起き、該当施設の元支配人をはじめ従業員らを書類送検し、在宅事件扱いとして捜査されていました。広島地検は、平成30年3月、該当施設の元支配人のみを業業務上過失致死傷罪で在宅起訴したと報道されています。

直近では、死亡事故を起こした被疑者が逮捕されないという事実に対して批判する声が高まりました。しかし、実際に業務上過失致死という比較的重い罪に問われている場合でも、在宅起訴になることがあります。ここでは、在宅で取り調べを受ける「在宅事件」や在宅起訴について、広島オフィスの弁護士が解説します。

1、在宅事件扱いとは?

「在宅事件扱い」とは、留置所などで身柄拘束されずに、会社や学校に通うなどの日常生活を送りながら、取り調べなどに応じるケースを指します。

一般的に、犯罪が露見すると「逮捕されて身柄を拘束されるもの」と思われている方もいるかもしれません。しかし、平成30年に検察庁が発表した犯罪白書によると、全被疑者30万6007件のうち、逮捕および身柄付送致をされた事件の割合を示す身柄率は36.1%であることがわかっています。つまり、事件を起こしたとしても半数以上が身柄を拘束されず「在宅事件」として取り扱われているのです。

在宅事件扱いになった場合は、留置所などで身柄を拘束されることなく自宅に帰ることができます。もちろん無罪放免になったわけではありません。容疑は残っているため、日常生活を送りながら、警察等の捜査機関の依頼により取り調べの日に出頭しながら取り調べを受けることになります。

在宅事件扱いになれば、社会生活への影響を最小限に抑えることができるというメリットがあります。現在、在宅事件として捜査や取り調べが行われている場合は、再び身柄を拘束されることがないように注意しなければなりません。

2、身柄事件と在宅事件扱いの違いについて

「身柄事件」とは、身柄が拘束される事件を言います。ごく簡単にいうと「逮捕されなかったら在宅事件扱い、逮捕されたら身柄事件」であるといえるでしょう。逮捕後、身柄が釈放された場合も、在宅事件扱いに該当します。

そもそも「逮捕」とは、日本国憲法第33条、刑事訴訟法第199条、同法第210条前段、同法第212条1項で規定された、特別な措置です。罪を犯したことが明らかであるとともに、逃亡や証拠隠滅の危険があるなど、身柄を拘束する必要性が認められる状況でないときは行うことはできません。

逮捕されれば、留置所や拘置所に身柄が拘束されて、取り調べを受けます。この状態から、引き続き身柄の拘束が必要と判断されたケースが「身柄事件」に該当します。身柄事件の場合、逮捕されてから48時間は家族と面会することができませんし、その後も勾留が必要かどうかを判断するために24時間も身柄が引き続き拘束されます。

身柄事件と在宅事件扱いの違いは「身柄が拘束されるかどうか」だけではありません。身柄事件であれば逮捕されて身柄が拘束されてしまう反面、手続きがスムーズに進みます。

身柄事件では逮捕後3日以内に勾留の可否を決定し、勾留が決定したら最大20日間以内に起訴するかどうかが判断されます。逮捕されてから最長23日で、起訴不起訴の結果が決定するケースがほとんどです。

それに対して、在宅事件扱いとなったときは、いつまでに起訴しなければならないなど期間の定めがありません。そのため、数ヶ月にわたって捜査が続けられることになります。いつ、起訴不起訴の判断が出るかは検察次第です。弁護士によるサポートを受けていなければ、心細く不安な日々を過ごすことになる可能性が高いでしょう。

また、帰宅できなくなる身柄事件とは異なり、在宅事件扱いとなった時点で「弁護士に依頼すべき段階ではない」と考える方も少なくないようです。しかし、弁護士に依頼せずに捜査等が進んだ結果、早く事件を終わらせるために不利な自白をしてしまうケースも考えられます。身柄事件のように、状況が切迫しているわけではないものの、捜査や取り調べは継続しています。容疑が晴れたわけではなく、前科がついてしまう可能性がある状況におかれていることに変わりありません。在宅事件扱いとなって弁護士に弁護活動を依頼することを強くおすすめします。

3、事件が発覚してから判決までの流れとは

次に、事件が発覚してから逮捕、勾留、起訴といった一般的な流れを解説します。現在、どの状態なのかを把握した上で、やるべきことを検討しましょう。

  1. (1)逮捕から勾留へ

    警察等に事件が露見した場合は、必要に応じて身柄の拘束を受けます。ただし、逃亡の恐れがある、事件の証拠を隠滅する恐れがあるなどのケースを除いては、逮捕することは認められておりません。

    事件露見後、逮捕された場合は、最長48時間、警察の留置所内に身柄を拘束されて取り調べを受けます。在宅事件扱いとなった場合は起訴・不起訴が決定するまで日常生活を送ることになります。

    警察は、取り調べを経ても嫌疑が晴れないとき、検察庁に事件を送ります。これを「送致」と呼びます。逮捕しているときは、逮捕から48時間以内に送致するかどうかを判断しなければなりません。

    送致を受けた検察官は、送致から24時間以内に「勾留(こうりゅう)」が必要かどうかを判断します。勾留とは、身柄の拘束を受けたまま検察の取り調べを受ける措置です。勾留が決定すれば、最大20日間、留置所や拘置所で寝泊まりすることになります。

  2. (2)起訴不起訴の判断

    勾留されている場合は、勾留開始から最大20日以内に取り調べを終え、「起訴するかどうか」が判断されます。

    在宅事件扱いの場合は、所定の取り調べが終わり次第、起訴か不起訴かが判断されます。法律上、期間の規定がないため、いつ起訴か不起訴かが決定するかは検察次第です。

    なお、在宅事件扱いののち起訴されることを「在宅起訴」と呼びます。冒頭で取り上げた事件でも、被疑者は在宅事件扱いとして取り調べを受け、「在宅起訴」されました。

  3. (3)刑事裁判

    起訴が決定すると、刑事裁判が開かれて有罪か無罪かどうかと、有罪のときは量刑などが決定します。

    日本における刑事裁判では、起訴されたときの有罪となる率は99.9%です。したがって、起訴されたらほぼ有罪になると思ってよいでしょう。そこで、実際に罪を犯しているのであれば、刑事裁判では執行猶予付き判決を目指すことになります。執行猶予が認められた場合、執行猶予期間中に罪を犯して逮捕されなければ、刑務所に服役する必要はありません。

    100万円以下の罰金・科料に相当する事件である場合には、刑事裁判ではなく「略式起訴」されることがあります。略式起訴とは、1日で完了する裁判手続きです。書類手続きのみで処分内容が言い渡されることになるため、テレビなどで見る裁判のように、犯行を否認することはできません。もちろん、有罪になれば罰金刑であっても前科はついてしまうことになるでしょう。

    つまり、在宅事件の場合は不起訴を目指した弁護活動が重要になります。不起訴になるためには、被害者との示談が完了していること、本人が深く反省していること、などの条件を満たしていなければなりません。在宅事件扱いになったからといって、安心はできません。場合によっては起訴されてしまうことになるでしょう。

    早い段階で弁護士に依頼して、被害者との示談交渉や検察官への働きかけをスタートしてもらうことが大切です。

4、在宅起訴になる条件とは

前述のとおり、犯罪白書によると平成30年の身柄事件の割合は36.1%でした。しかし、一度は在宅事件扱いとなったものの、再度身柄が拘束されてしまう事件も存在します。再び身柄が拘束されないために、在宅起訴となる条件を確認しておきましょう。

●逃亡する可能性がないこと
逃亡の可能性がある場合は、逮捕や勾留されてしまいますので、在宅起訴は不可能です。「逃亡の可能性」は、さまざまな状況を考慮して判断されます。当然ですが、住所が定まっていなければなりません。また、定職に就いていること、家族がいることなどの条件に当てはまれば逃亡の可能性がないと判断される可能性は高くなります。また、罪を認めている、被害者との示談が成立しているなどの状況であれば逃亡する可能性が低いと判断されるでしょう。

●証拠を隠滅する可能性がないこと
在宅起訴となるためには、「証拠隠滅の恐れがないこと」も必須条件です。罪を認めているかどうか、共犯者の有無、簡単に証拠隠滅が可能か、などの状況を総合的に判断して、証拠隠滅の可能性を判断します。

証拠を隠滅することで大きな利益が得られる場合にも、証拠隠滅の可能性があると考えられます。具体的には、重罪の場合などです。罰金刑等の軽い刑罰で済む場合は、証拠隠滅するメリットが大きくないため、証拠隠滅の可能性なしと判断されやすい傾向にあります。

●軽微な罪であること
在宅事件となるためには、犯した罪が軽微なものであることが必須条件です。殺人事件や強盗事件などの重大な事件の場合は、上記の条件を満たしていても在宅起訴になる可能性は低いと言えます。

5、在宅事件扱い中に家族ができること

ご家族が在宅事件扱いとなったとき、家族ができることは、精神的なサポートをすることと迅速に弁護士に弁護を依頼することです。

在宅事件扱いでは、警察に身柄を拘束されないことから、身柄事件と比較すると、本人のストレスは少ないと考えられがちです。しかし、起訴・不起訴の判断までの時間が長いことから、日々ストレスを感じ続けることになるケースがほとんどでしょう。家族による精神的サポート、再犯しないための環境づくりが必要不可欠です。

さらに重要なのが、弁護士に依頼することです。在宅事件扱いになると、身柄が拘束されていないだけに弁護士に依頼する必要性が感じられないかもしれません。しかし、在宅事件だからこそ弁護士に弁護活動を行ってもらうよう、依頼したほうがよいかもしれません。

不起訴を勝ち取るためには、被害者との示談が必須です。早期に被害者と示談を完了させれば早い段階で不起訴と判断される可能性があります。被害者との示談は、加害者本人でも不可能ではありませんが、そもそも連絡先を知ることができませんし、被害者は加害者に対して感情的になりやすいため、示談交渉は難航してしまいます。

しかし、弁護士であれば被害者の連絡先は警察から入手可能ですし、被害者も冷静に話し合いに臨むため、スムーズな示談交渉が可能です。

6、まとめ

事件を起こして、在宅で捜査を受けている場合、起訴・不起訴が判断されるまでに時間がかかるため、大きなストレスを感じます。また、自宅にいながら取り調べに呼び出される生活が続きます。身柄事件ほどではなくとも本人の負担も大きく感じることがあるでしょう。

不起訴と判断されるためには、示談が完了していることや検察への働きかけが重要になります。早急に弁護士に依頼することをおすすめします。

家族が逮捕後釈放されたものの、今後の流れが不安だ、不起訴を目指したいという方はベリーベスト法律事務所・広島オフィスにご相談ください。状況を把握して的確な対応を、迅速に行いご本人と家族を親身になってサポートします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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