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コロナDV(在宅ワークが原因の家庭内暴力)の対処方法や離婚の流れ

2020年06月05日
  • 離婚
  • コロナDV
  • 広島
コロナDV(在宅ワークが原因の家庭内暴力)の対処方法や離婚の流れ

令和2年4月、中国新聞デジタルに「新型コロナで在宅時間増。DV深刻化が心配」という記事が掲載されました。
記事によると、新型コロナウイルスの影響で在宅ワークとなった夫や息子からの家庭内暴力がエスカレートすることに不安を感じている女性が増加しており、被害が深刻化しないようにさまざまな相談機関を活用すべきだとしています。

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、全国の企業が在宅ワーク・テレワークを実践するなかで、新たに「コロナDV」という問題が浮上しています。
コロナDVとはどのような状態を指すのでしょうか?
いま現在コロナDVの被害に悩んでいる方は誰に相談すれば解決できるのでしょう?

本コラムでは「コロナDV」に注目して、コロナDVの定義・行為や被害の相談先、コロナDVに限らずDV被害を理由に離婚したい場合の流れなどを広島オフィスの弁護士が解説します。

1、「コロナDV」とは?

新型コロナウイルスの流行は、日本国内だけでなく世界中でさまざまな問題を引き起こしています。
そこで新たに浮上してきた問題が「コロナDV」です。
コロナDVとは、在宅ワーク・テレワークの増加や外出自粛などの影響で家族が自宅で過ごす時間が増えたことで、DV、つまりドメスティックバイオレンスと呼ばれる家庭内暴力が生じることをいいます。

  1. (1)急増するコロナDV

    コロナDVの問題は、外出制限などの規制が先立っておこなわれた海外ですでに顕在化しています。
    令和2年3月から厳しい外出制限が敷かれたフランスでは、DVが36%も増加していると言われており、国連も警鐘を鳴らしていました。
    国内におけるDVの増加率などは明らかになっていませんが、内閣・関係省庁の大臣・自治体などがDV被害発生時の対応を広報するなど、危機的な状況であることは間違いありません。

  2. (2)新たにDVが発生するケースもある

    コロナDVでは、すでにDVが生じている家庭における被害のエスカレートが目立ちます。
    これまでは暴力的な発言などにとどまっていたケースでも、自宅での時間が増えてストレスがたまり、家族に殴る・蹴るなどの暴力を加える事態に発展するのです。

    また、これまでにDVを疑うようなトラブルがなかった家庭でも、自宅における時間が増えることで新たにDVが発生するケースも少なくありません。
    とくに、休業を余儀なくされてしまい給与面に不安がある、自営業で新型コロナの影響により事業が立ち行かなくなったなどのケースでは、近い将来への強い不安や生活苦のストレスから突如としてDVをはたらいてしまうようです。

2、DVとは? DVにあたる行為

コロナDVについて法律の立場からみると、そのほかのDVが成立する要件と照らす必要があるでしょう。
DVについて規制している「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(通称:DV防止法)」が規制しているDVが成立する要件をチェックします。

  1. (1)DVが成立する対象

    DV防止法では「配偶者からの暴力」としてDVが規制されています。
    つまり、同法で規制されているDVが成立するには「配偶者からの暴力」であることが必要です。
    同居・別居の区別なく、婚姻関係のある配偶者からの暴力はDVとみなされますが、一方で婚姻関係のない恋人からの暴力はDVとなりません。
    ただし、次のような関係においておこなわれる暴力は「配偶者からの暴力」に含まれます。

    • 婚姻の届け出をしていない事実婚や内縁の関係
    • 生活の本拠をともにする、いわゆる同棲関係
    • 離婚した元配偶者


    ただし、元配偶者の場合は「離婚前から暴力が存在していた」ことが必要です。
    離婚後に暴力がはじまった場合はDV防止法の「配偶者からの暴力」とはみなされないため注意が必要です。
    なお、上記以外の者からの暴力であったとしても、刑法上の暴行罪や傷害罪などは成立しえます。

  2. (2)DVにあたる6つの行為

    DV防止法の第1条は、配偶者からの暴力について次のように定義しています。

    • 身体に対する不法な攻撃で生命・身体に危害をおよぼすもの
    • 上記に準ずる心身に有害な影響をおよぼす言動


    殴る・蹴るといった典型的な暴力だけでなく、精神的な虐待行為も「心身に有害な影響をおよぼす言動」として規制の対象になるわけです。

    DVにあたる6つの行為をここで整理しておきましょう。

    ●身体的暴力
    殴る・蹴るなどの直接的な暴行のほか、首を絞める、火のついたタバコを押し付けるなどの行為が該当します。

    ●精神的・心理的暴力
    人格を無視した暴言などのような強圧な言動だけでなく、ことさらに無視するなどの圧迫もDVとみなされることがあります。

    ●性的暴力
    望まない性行為を強いる、避妊をしない、不妊を相手の責任として押し付けるといった性的暴力でもDVが成立しえます。

    ●経済的暴力
    収入がない配偶者に生活費を渡さない、配偶者名義の預貯金を使い果たすなど経済的な面での圧力もDV防止法が定める暴力とみなされることがあります。

    ●社会的隔離
    親族・友人などとの接触や外出を禁止する、通話履歴やメッセージなどスマホの内容をチェックするなど、家庭外の人との関係を絶たせる行為も暴力のひとつの形態です。

    ●子どもを使った暴力
    子どもの前で暴言を吐く、子どもに攻撃をさせるといった間接的な圧迫も暴力とみなされることがあります。

3、広島県におけるDV被害の相談先

コロナDVの被害に遭っている場合は、ひとりで悩むのではなく各種の相談機関に遠慮なく相談しましょう。
被害を解決する糸口が見つかる可能性があります。

  1. (1)内閣府の「DV相談+(プラス)」

    コロナDVを含めた新型コロナの影響によるDV被害への相談体制を拡充する目的で令和2年4月20日からはじまったのが、内閣府の「DV相談+(プラス)」です。
    既存の「DV相談ナビ」と同様にフリーダイヤルによる相談を受付けているだけでなく、メールやオンラインチャットによる相談にも対応しているのが特徴です。

    フリーダイヤルは24時間対応で、面談や同行支援などの直接支援も実施しているほか、避難場所の迅速な提供によるサポートもおこなっています。

    DV相談+(プラス)
    DV相談ナビ

  2. (2)各地の配偶者暴力相談支援センター

    DV被害者の保護や支援を目的とした機関として、各地の配偶者暴力相談支援センターへの相談も可能です。
    おもな相談先は次の機関があります。

    【広島県の相談機関】
    ●広島県西部こども家庭センター
    ●広島県東部こども家庭センター
    ●広島県北部こども家庭センター

    【広島市の相談機関】
    広島市配偶者暴力相談支援センター

  3. (3)最寄りの警察署

    お住まいの街にある最寄りの警察署でもDVの相談が可能です。
    まさに暴力を受けた直後などのように緊急性が高い場合や、直接的な暴力でケガをした場合などは、刑事事件化を含めて警察に相談するのが適切でしょう。

    広島県警察の警察安全相談電話でも相談可能ですが、緊急時は110番通報で警察官の出動を求めましょう。

    警察安全相談電話

4、DVで離婚する場合の流れ

コロナDVの被害が激化してしまえば、避難の方法として離婚を検討する事態に発展することも考えられます。
DV被害を受けて離婚する場合の流れをみていきましょう。

  1. (1)別居・避難

    まずはDV被害を受けている現状を改善する必要があります。
    実家や新居に引っ越して別居する、援助機関や自治体が用意したシェルターに避難するなどの方法で、DV被害から逃れましょう。

    DV被害者の多くが「避難しようにも行き先がない」と悩みますが、相談機関を利用することで公的・民間シェルターへの入居をサポートしてもらえます。
    避難が必要なことをしっかりと説明してもらうのがベストです。

  2. (2)DVの証拠収集

    離婚に向けて、DVが存在することの証拠を集めておく必要があります。
    殴る・蹴るなどの暴行があれば、病院を受診して治療を受けるとともに、いつでも診断書を作成してもらえるように準備しておきましょう。

    医師の診断を受けていれば、過去のDVに対してでも診断書の作成ができることもあります。
    また、負傷部位があれば自分で写真撮影をしておくことをおすすめします。
    なお、診断書では怪我をした証拠にはなっても、その怪我が配偶者からの暴行によるものであることまで証明できるとは限らないので、配偶者から暴力を受けたときの動画なども可能であれば集めておいた方がよいでしょう。

    精神的な虐待や性的暴力、経済的暴力などは、その性質から証拠収集が難しくなるでしょう。
    暴言を吐いている様子の録音、日ごろからつけている日記などがDVの存在を証明する証拠にもなるので、あらゆる手を尽くして証拠を集める必要があります。

  3. (3)協議離婚

    配偶者に対して「離婚したい」と伝えて、話し合いによる離婚を目指します。
    この段階で配偶者が離婚に応じれば、協議離婚の成立です。

    DVから離婚にいたるケースでは「とにかく離婚したい」という意向ばかりを優先させてしまい、DV被害を受けてきた精神的苦痛に対する慰謝料や財産分与などの協議をないがしろにしがちです。
    DVをはたらくような配偶者であれば、なおさら慰謝料の支払いや財産分与に対する配慮は期待できないでしょう。
    不利益が大きくなってしまうようであれば、弁護士に相談して法律の力を借りた離婚を目指すことをおすすめします。

  4. (4)離婚調停・離婚裁判

    配偶者が離婚に応じない、離婚には合意するものの慰謝料の支払いや財産分与には応じないといったケースでは、裁判所の手続きによって離婚を目指すことになります。
    まずは離婚調停を申し立てて話し合いをおこないますが、調停でも合意が得られない場合は訴訟による決着が必要です。

    訴訟による離婚では、民法第770条に規定されている法定離婚事由を満たす必要があります。
    DVの場合は「悪意の遺棄」または「婚姻を継続し難い重大な事由」を証明することになり、被害者が個人で証拠を集めるのは困難です。
    DVによる離婚トラブルに詳しく、実績が豊富な弁護士にサポートを求めましょう。

5、まとめ

「コロナDV」と呼ばれるDV被害は、外出や出勤の自粛・制限を受けた家庭内という特別な環境のなかで起きる問題です。
平常時のDV被害だけでも深刻なのに、さらに閉鎖的な状況のなかで生じる暴力なので、誰にも相談できないまま被害が重症化してしまうおそれがあります。

コロナDVにお悩みの方は、ベリーベスト法律事務所 広島オフィスまでご相談ください。
まずは暴力を受けている現状からの回避によってDV被害を解消し、刑事事件化に向けたサポートや不利な条件での離婚にならないための証拠収集をお手伝いします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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