ゴルフ中、ボールが頭にぶつかった…ゴルフ事故の損害賠償を請求する方法は?
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広島カンツリー倶楽部 八本松コース、白竜湖カントリークラブなど、広島県内には数々の名門コースがあります。日々、ゴルフの練習に励み、休日のラウンドを楽しみにしているゴルファーの方も多いことでしょう。
しかし、大好きなゴルフを楽しんでいたところ、他のゴルファーの打球が直撃して怪我などしてしまい長期の入院など余儀なくされたとしたら、ゴルフはもうこりごりと思う一方で、加害者に損害賠償請求したいと思うのも当然のことです。とはいえ、加害者に損害賠償請求するには、法的知識がなければ交渉することさえも難しいものです。
この記事では、ゴルフ事故の損害賠償について、広島オフィスの弁護士が解説します。
1、過去に起きたゴルフ事故事例
損害賠償請求する前に、過去にあったゴルフ事故ではどのように損害賠償をされたのかについて、過去の裁判例を紹介します。多くのゴルフ事故は裁判に至る前に示談などによって解決していることから、具体的な賠償金などについてはケース・バイ・ケースとなるでしょう。
裁判で争うことになった場合は、たとえ1審であっても判決が出るまで数年の年月がかかることもあることを知っておきましょう。
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(1)埼玉県で発生したゴルフ事故
平成13年11月、埼玉県下にあるゴルフコースでプレイ中、バンカーからグリーンを目指して打った打球が、一緒にプレイしていた原告の目に直撃したという事故が起きました。原告は事故の結果、視力が極端に低下したとして、治療費、傷害慰謝料、逸失利益などを合わせた損害賠償請求を行っています。裁判では、過失割合や損害などについて争われました。平成27年3月東京地方裁判所は、原告の請求を一部容認するにとどめながらも、損害賠償請求を認める判決を下しています。
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(2)静岡県で発生した事故
平成24年、静岡県に所在するゴルフ場で、一緒にプレイをしていた被告が打ったボールが原告の耳にぶつかる事故が発生しました。原告が損害賠償請求を求める裁判を起こすと、安全確保をはじめとした過失割合、持病の扱いと入院通院日数、逸失利益などが争点となりました。平成29年10月、東京地方裁判所は、原告による請求の大部分を棄却しましたが一部容認し、損害賠償請求を認める判決を下しました。
2、ゴルフ事故による損害賠償責任の基準
ゴルフ事故の損害賠償を請求していくためには、損害賠償責任の基準について知っておく必要があります。
以下では、ゴルフ事故における損害賠償責任の基準について解説します。
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(1)ゴルフ事故の特別な事情
ゴルフをしている方ならわかると思いますが、自分の打球がどこへ飛ぶかを正確に予測するのは困難です。まして自分の打球を完全にコントロールすることはできません。しかもゴルフ場は広くて、離れたところに人がいるかどうかを確認するのは難しいのです。
またゴルフは金属のクラブで小さなボールを打ちますが、打球のスピードは軽く時速200キロメートル以上に達します。ゴルフは怪我をするリスクがあるスポーツであり、プレイする際には周囲の人の安全に配慮する注意義務が法律上認められていることを覚えておく必要があります。
したがって、たとえキャディーが安全を確認していたとしても、事故となれば球を打ったプレーヤーが不法行為をしたとして損害賠償責任を負う可能性があります。 -
(2)ケース・バイ・ケースで判断する
ゴルフ事故は注意義務違反があり過失が認定されると、不法行為に基づく損害賠償責任を負います。つまり、打球をぶつけたプレーヤーに過失があったかどうかが、損害賠償責任を問えるかどうかの基準です。
ところが、過失の認定は個別の事故ごとに行われ、損害賠償責任や賠償金額が認定されることになります。したがって、「このようなケースでは損害賠償責任が認められ、賠償額はこのくらいになる」などの基準はありません。
また、被害者がマナー違反をしたり、球を打つ人の前に出たりしたケース、もともと持病があり被害による障害であることが認められないなどのケースでは、過失相殺されて賠償金が少なくなることもあります。
3、ゴルフ事故の補償はゴルフ保険でできる
ゴルフ事故で損害賠償請求する場合、ゴルフ保険について知っておきたいところです。
以下では、ゴルフ保険の基本について解説します。
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(1)ゴルフ保険とは
ゴルフ保険とは、ゴルフを練習しているときやゴルフ場でプレイしているときに発生した事故により他人に与えた損害を補償する保険です。メインとなるのはゴルフ事故で他人や自分に発生した損害の補償ですが、ゴルフ用具を破損した場合の弁償代金やホールインワンのお祝い費用などが補償対象となる保険もあります。
ゴルフ場のプレイ中に怪我をした場合の治療費は、ゴルフ保険の賠償責任補償で保険金が支払われます。 -
(2)ゴルフ保険とゴルフ特約の違い
ゴルフ保険に類似したものとしてゴルフ特約がありますが、その違いは補償の範囲にあります。ゴルフ保険は単独の保険であり補償範囲は広いのですが、ゴルフ特約は自動車保険などのオプションであり補償範囲は狭いことが多いです。
どちらもゴルフ事故で他人に怪我をさせた場合に補償してくれますが、ゴルフ特約の中にはキャディーなしでプレイしていたときは補償対象にならないタイプもあります。規約を確認しましょう。 -
(3)保険金を請求して支払われるまでの流れ
ゴルフ保険の保険金を請求して支払われるまでの流れは、以下のようになります。
① 保険証券で保険契約の内容を確認する
② ゴルフ事故の詳細について、保険会社へ報告する
③ 保険金を請求するための書類や必要書類を保険会社へ提出する
④ 保険会社の調査が行われ、保険金額が確定する
⑤ 保険会社より確定した保険金額が指定口座へ入金される
4、損害賠償請求を弁護士に依頼するメリットとは
ゴルフ事故の損害賠償請求は自分でもできますが、弁護士に依頼することには以下のようなメリットがあります。
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(1)先を見通せる
損害賠償請求することに慣れている人なら先を見通せるかもしれません。しかし、弁護士でない限り、損害賠償請求を何度も行ったことがあるという方はほとんどいないでしょう。弁護士に依頼すれば、どのように展開していくのか、どれぐらい時間がかかるのかなど、先を見通すことができます。
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(2)手間のかかる手続きや交渉から解放される
損害賠償請求するには法的手続きをしたり、加害者側と交渉したりする必要があります。場合によっては争いになることもあり、知識や経験がないとストレスを抱えてしまうことになるケースは少なくありません。場合によっては、事態がよりこじれてしまうこともあります。速やかに弁護士に依頼することによって、手間のかかる手続きや交渉から解放されるだけでなく、さらには新たなトラブルを回避できます。
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(3)満足できる賠償金をもらえる
ゴルフの打球が当たった事故では、知識がなければ適正な賠償額が認定されないことがあるでしょう。弁護士に依頼することによって、適正な賠償額の認定が行われて、満足のいく賠償金がもらえる可能性が高まります。
また、万が一後遺症が出た場合でも、弁護士に依頼すれば適正な後遺症認定をしてもらえるため、今後のことを考えても安心できるでしょう。 -
(4)相手の対応が変わる
弁護士に依頼して加害者側との交渉の前面に立ってもらうと、相手の対応が変わるケースが多々あります。裁判まで視野に入れているという強い意志を、加害者側に伝えるだけでなく、適正な交渉が可能となります。まずは弁護士に相談することをおすすめします。
5、まとめ
ゴルフは楽しいスポーツですが、他のプレーヤーのショットで思いがけない事故が起こることがあります。場合によっては取り返しがつかない怪我となることもあります。万が一のときは、しっかりと損害賠償請求を行ったほうがよいでしょう。
加害者へ損害賠償することは自分でもできますが、法律の知識が必要になる場面が少なくありません。確実に損害賠償を実現したければ、早めに弁護士へ相談するのが得策です。
ゴルフ事故の加害者に損害賠償請求したいとお考えの方は、ベリーベスト法律事務所 広島オフィスまでご連絡ください。広島オフィスの弁護士が、状況に適した交渉を行うとともに、全力でサポートします。
- この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています